先日、1957製のLes Paul Specialが入荷されたので、レスポールスペシャルについて解説していこうと思います。

歴史とディテール
発売は1955年 レスポールジュニアとスタンダードの中間的なモデルとして発売が開始されます。価格も当時レスポールジュニア(TV)120ドルとスタンダード235ドルの間で169ドルとリーズナブルな価格設定となっていたみたいです。カラーは55年リリース時は明るいナチュラル仕上げや、イエローより少しグリーンに近い”ウィート”カラーや、クリーム色などがあったようだが、レスポールジュニア(TV)と近いみんなが良く見るこの色に落ち着いたようです。また、色の正式なカラー名は”ライムド・マホガニー フィニッシュ”となる。サンバーストが何本かやチェリーも5本ほど作成され実際に1本は発見されているようです。
1958年~1961年はダブルカッタウェイになり、メインのカラーもチェリーとライムド・マホガニーとなる。ダブルカッタウェイの当初はフロントピックアップがネックにかなり近い状態だった。スイッチはフロントボリュームとトーン間上部に配置されている。ただ、ピックアップがネックに近すぎることと、ダブルカッタウェイになることで、強度の問題が発生したため 年々フロントピックアップの位置がネックから離れていくことになる。また、それに伴いスイッチの位置もフロントボリュームとリアボリュームの間に位置するようになる。
仕様について
ピックアップ
ジュニアと比較すると、ジュニアは1ピックアップに対してスペシャルは2ピックアップ。スタンダードと比べるとスタンダードはハムバッカーであるが、ジュニア・スペシャルはP-90が採用されている。ピックアップだけ見てもジュニアとスタンダードの中間という位置づけはうなずける。
木材
スタンダードはマホガニー材にメイプルを張り合わせアーチ加工がされているが、ジュニア・スペシャルはマホガニーのフラットトップとなる。
バインディング
スタンダードと同じく、スペシャルもバインディングはあり、ジュニアはバインディングはなし。
ブリッジ
この当時はすでにスタンダードにチューン・オー・マチックがスタンダードに搭載されているが、基本的にはストップバー/スタッド・ブリッジが採用されている。歴史の本とかではチューン・オー・マチックが搭載された特別モデルがあるとかないとか・・・
1957製のLes Paul Special
今回、入荷したスペシャルを見ていくとまず、カラーリングが素晴らしい、もう少し目止めの濃い(白)が多い状態の物(木目が見えない)ではなく、これぞライムド・マホガニーという感じだ。細かな傷は歴史を感じるが、カラーの光沢が残って状態は素晴らしい状態と言える。

ペグは当時の3連ペグオリジナルになり、チューニングをしている感じからはまだまだ使えそうだ。

フレットはオリジナルフレット。バンジョーにも使用されている細くて、高さも低い物が採用されています。プレイヤー観点からはフレット打ち直しも検討してもいいでしょう。ただ、現状でも8割程度あるので弾くこと自体に支障はありません。

全体的には状態も良く、変更箇所と言えばバックパネルのネジだけがオリジナルではない状態です。
レスポールスペシャル愛用のアーティスト
- 藤原基央(バンプ・オブ・チキン)
- 奥田民生
- 山口隆(サンボマスター)
- 後藤正文(アジアンカンフージェネレーション)
- 渡辺香津美
- ジミ・ヘンドリックス
- ボブ・マーリー
- ロン・ウッド
- ラリー・カールトン
詳細写真
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