Historic Makeovers ボディ編

前回のBlogかなりの反響を頂きありがとうございます。

Historic Makeovers(以下HMO)の続編を書きたいと思います。



ボディに施された仕事。

まずはオールリフィニッシュっ、とその前にまずはトップのカーブをバーストと同じに削り直しです。

どう直すかと言うと、ヒストリックの各年代で毎回違うのでおしなべて書きます。

前提として、バーストはヒストリックほど立体的ではないです、メタボではなくスマートなのです。

大きく直している箇所はトグルスイッチの周り、シングルカットの部分、サドルからボディエンドにかけて、外周… アッ全部ですね。

これでヒストリックですと毎年起きる「トップのアーチが違う論争」ともこれでおさらばです。

ストレスからは開放です。

良かったですね!

さて次が、オールリフィニッシュです。

塗料は勿論ニトロセルロースラッカーです。

このラッカーは何かと言うとですね。

塗る際に体には有害、揮発性が高く火事や爆発の恐れもあり、なかなか乾かず、天気に非常に左右される。というかなりのネガティブな代物です。

何よりも塗る人間に非常に技術が必要とされるのです…となれば、なぜ使うの?

答えは

硬くしなやかに薄く塗る事ができるのです(技術次第)。

塗装はやはりニトロセルロースラッカーでないと、そのギターのポテンシャルは発揮できません。

さてここまでもよく聞く話です。

やはりHMOの魅力はその外見から感じる、抜群のフェイド感とエイジド加工です。

フェイド感とエイジド加工は技術も大事ですがこれは感性の問題です、本当に自然な配色で経年変化を再現しています。

この作業が見えない所まで至っていますのでため息物です。

ウェーザーチェックは、ヒストリックのエイジド物のカミソリで切れ目を入れた様な外見では無く。

硬い塗料が気候の変化でパリっとイッたんだなという本当のチェックです。

そうとしか見えません。

(方法はほぼ解明しているのですが、確証が無いので明文からは避けます)

最後にブリッジ位置の修正が行われています。

1弦側が本当に少しだけピックアップ側に寄っています。

ピックアップに平行ではないこの位置が正しいのです、音やテンションに少しは本当に少しの変化ですが、ここまでこだわる事によってこそこの作業が成り立っているのでしょう。

この神業的様々な仕事によりHMOに上品でかつイケナイオーラを撒き散らせ纏わせています。

この感性と情熱に本当に脱帽と土下座でございます。

さぁ皆様!一見の価値ありでございますよ。

takao

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