Fender社(に限らず)は、とある時代背景で67年頃に生産が減少し、68年以降に新体制(?)で生産が始まります。しかしこの頃から数年、F社のベースはネック強度が弱くトラスロッドが入り込んだ物が多いです。ウッドストック等の野外フェスが増えたのでという説がありますが、私はそうは思いません。
個人の憶測ですが、生産開始を間に合わす為に材を熟成させる前に使用したんではないでしょうか?
68〜69年頃は66年頃のパーツが多く使われています。
これはベースに限らずF社の各モデルに共通する割合が多いです。
例えば68年製のアンプには66年のトランスが使われていたり、66年のポットがついていたりと様々です
ピックアップに至っては66年のモデルにそれ以前のブラックボビンが使われている事もあります。F社の製造体制では残っていたパーツを使う事があります。当店在庫の69年PBにはグレイボビンとブラックボビンが混在した物と両方ブラックボビンの物があります。
形状、使用材等細かく見てこれはオリジナルです。
2本共に芯の太いPBサウンドでアンサンブルでボトムを支えながらも、高域の抜けと音の輪郭がハッキリとしているので埋もれる事は一切ありません。
グレイボビン期に変わった64年頃のパワーは抑えられながらも輪郭ははっきりしており、クリアなサウンドが本当にアンサンブルにマッチするなという印象。
歌モノや鍵盤と一緒に出す場合はめちゃくちゃマッチしますし、ロックやるで〜でもマッチします。
次回は70年代初頭のベースについて書きますのでしばしご歓談をば。
nagase