毎回のご購読ありがとうございます。
以前、買取”超”強化の記事で募集し譲って頂いたギターを紹介させて頂きます。
生まれて50年以上経過したギターとは思えない、奇麗な美貌と透き通った肌、エイジングを感じさせない中にも円熟味と幼さを持ち合わせた美女です。
Gibsonのスモールサイズアコースティックギター、ストューデントモデルにあたるLG-1です。
彼女の美声は聞く者の心を捉えて離さない、という表現が(勝手ですが)最も合うでしょう。
ではここで、LGシリーズについて軽く(?)触れておきましょう。
LGシリーズ(LG-2)はJ-45、J-50と同じ1942年に生まれた14インチのスモールサイズギターです。
LG=Little Guitar、Lady’s Guitarの略称です。
LG-1はラダーブレイシング構造、LG-2はJ-45同様Xブレイシング構造です。
LG-3はナチュラル(Gibson社ではブロンド)カラーでジャンボサイズではJ-50に該当します。
LG-0はトップ材にマホガニーを用い、ピックガードをネジ止めにした廉価版です。
※廉価版と言ってもオールマホガニーの音は良いですよ。
LG-1はLG-2と外観の違いを感じさせないながらも、ラダーブレイシング構造でコストを抑えたモデルです。
LG-2は1962年にB-25へ(LG-3はB-25Nへ)モデル名を変更しますが、これは又別の機会に。
あ、B=Babyの略称です。
今回紹介するLG-1は1964年製ですが、ウェザーチェックがあるものの50年以上経過したとは思えない程奇麗です。
ヘッド裏のシリアルナンバーの上に打刻で「2」というセカンドシリアルナンバーが入っています。
Gibson工場から出荷された後、ショップから1度工場に戻されて何かしら施されたんでしょう。
何かは全く分かりません。
レギュラーネックのしっかりと握り込めるシェイプは手が吸い付く感覚です。
ラダーブレイシングですので、Xブレイシングの派手な鳴り方ではありませんが、繊細さという表現でしょうか?
おしとやかな中にもしっかりとした「Gibsonのギターです」という主張があります。
プレーン弦の音の伸びには目を(耳を)みはるものがあります。
単音で弾いても倍音のトルネードでどんどん響いていきます。
コードをストロークすると巻き弦は暴れ過ぎないのでとても奇麗な和音です。
以前、ES-335 Dotで書かせて頂いた「セットネックの個体差」がこのギターにもあると感じました。
美しい容姿に聞き惚れる美声のLG-1。
これも『本当の楽器』です。
http://guitar-tribe.com/stock_list/acoustic/160426Gibson64LG1TSB/1.html
nagase